日々制作をしていると、たくさんの布のハギレが出てきます。自ら染めた布を最後まで使い切るのが、私の勤めでもあります。昨年の展示会では、小さな布のカケラを和紙に貼り付けたり、布をコラージュして額に入れたアートフレームを作りました。今回のハギレはもう少し大きめなので、ここからもう一度布と布を繋ぎ合わせてキルト作品を作ることにしました。その名も「ZERO WASTE QUILT」。
白や生成などの淡い色の布をベースに、いろいろな色をパッチワークしていきます。この時もなるべくゴミが出ないように同じサイズの布同士を繋ぎ合わせていきます。
同じ色同士を集めて繋げたり、ウォームカラーとクールカラーを組み合わせたり。この時点で完成形は見えていません。でも、これがいいのかなとも思っています。色の組み合わせや形は予期せぬ形で現れるもの。頭であれこれ考えて時間をかけるよりも、悩まずにどんどん手を動かして、繋げてみるのも作り方のひとつです。
ベースの色は、ホワイトや生成色のハギレ。素材はすべてリネン、コットンなどの自然素材ですが、生地の厚さやテクスチャはさまざま。
せっかく1枚に繋げた布たちを、もう一度カットして、おもしろい形や色の組み合わせが出てくるのを探ります。こんな時いろいろなアイデアが湧いてきます。こうやって繋げるとこんなおもしろい形になるのか!とか、これだったら初心者の人でも配色や形に悩むことなく、かわいいキルトが作れるじゃん!とか。
実は他のキルト作品よりも一番時間と手間が掛かっているのが「ZERO WASTE QUILT」です。
2月の個展では、スロー(ひざかけ)サイズのものを展示します。もしかしたらベビーキルトくらいの大きさのものも作れるかもしれません。もし2月の個展中に完成したら、それは販売したいと考えています。